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YOSUKE SASAKI (Painter)

Biography

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ささきようすけは 1980 年北海道で生まれ、高校卒業までを過ごした。絵は日ごろから描いていたが、それを生涯の仕事とするつもりはなかった。徳島大学へ入学し自らの進路に悩む中、本当に自分のやりたいことにチャレンジしてみたい、と芸術を専攻することを決める。そのまま大学院へ進み在学中に初の個展を行う(2005)。卒業後は徳島県神山町に移り住み、会社員として働きながら芸術活動を続ける。しかし、2010 年に体調を崩し実家のある北海道函館市に帰省する。それまでの間、ほぼ年に 1 度のペースで個展を行い、初の海外での個展を NYC で行った(2009)。帰省後は療養に励みながらも、個展のみならず函館近代美術館での展示や函館トリエンナーレの参加など芸術活動を続けている。彼は展覧会などにおいて、インスタレーションを用いて彼のアート世界を表現する。これまでも古民家や廃屋、一般のアパートなどギャラリー以外の様々な場所にも作品を展示してきた。インスタレーションの素材となるものは、彼が日々制作する大量の作品群である。中でも注目すべきは彼が 10 年以上も続けているというドローイング作品である。A4 用紙に同じボールペンで描き続けているというその作品は、これまでほぼ毎日 1 枚のペースで作り出されてきた。同じようなモチーフを時には 100 枚以上も描き続けることもあるが、数 10 枚しか続かない場合もある。しかし、同じ用紙に同じボールペンで描くという行為自体は変わらない。同じことを繰り返しながら、少しずつ変化していく作品の有様は彼自身の人生と通ずるところがあるようだ。そのほかに注目すべきは、彼の平面作品に登場する妖怪のようなモチーフである。ミディアムは板や金属、写真など様々だが登場するモチーフには共通性を感じる。彼は一時期、熱心に風景写真に描いており、写真の中の雲や木々などが作り出す自然の形を丹念に眺め、そこから見えてくる形をなぞっていく中で、独特なモチーフ‐妖怪のような形を描きだした。それは当時住んでいた四国という土地が持つ空気感が影響している。彼の作品には、昔ながらの日本が持つ独特の湿気を含んだ怖さのようなものが感じられる。また、彼の作品世界をさらに特徴付けているのは、インスタレーションで度々登場する虫をモチーフとした造形作品である。これも彼が四国で体験した沢山の虫たちとの生活が影響している。毎日どこからかともなく住居に虫が侵入する生活は、この世界の主役が必ずしも人間じゃないという実感を彼に与え、四国での生活は大きな影響を与えた。そこには古くから受け継がれ、培われてきた日本的な風俗が根強く残っている。ささきようすけが表現するのは四国での生活の中で感じたその土地に漂う目には見えないが確かにあると感じる気配のようなものである。それは我々が圧倒的な自然の力を前にして感じる畏敬の念や畏怖に通づるものがあるのではないだろうか。