Tashika Yui (Painter)

Biography

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たしかゆいは、19歳のとき独学で絵を描き始めた日本のアーティストだ。彼女は人々が大人になるにつれ失っていく大切な世界を描きだすことで、人それぞれの「懐かしい愛情」を再びよみがえらせる。彼女の描き出す世界は、懐古的な美しい自然と暮らしがあり、まるで絵本のように人と動物は会話している。そんな世界を彼女が描くのは、彼女の生い立ちが大きく影響している。1988年に生まれ、父の仕事で小さな頃から日本各地を転々とし、常に変化の中にいた。そんな中、変わらず傍にあったのが田舎の美しい自然と動物たちである。その偉大さと美しさに魅了され、深い愛情を覚えた彼女は、これらと共存する世界をいつもあたまのなかに描いていた。しかし、この気持ちを共有できる友達は少なく、自分だけの理想世界として大切にしていた。2007年、動植物への愛情と興味から北海道大学農学部に進学した。北海道は彼女が幼少から愛してきた豊かな自然と、都市とが隣接している不思議な環境だ。動植物と自然を愛し共に生きる――幼少期から理想としてきた「人と自然の暮らし」に非常に近い環境を現実に目にし、それを残したい、多くの人に伝えたい、と思った。運動が好きで、芸術とは縁遠かった彼女が、独学で絵を描き始めるきっかけとなった。方法は歌でも写真でも良かったが、彼女が絵を選んだのは、シャガールが好きだった母の影響かもし彼女の描く世界は、ファンタジックで子供向けのアニメーション映画のようでもある。しかし、微笑んでいるようにも哀しんでいるようにも見える登場人物の表情、絵の中の彼らは「大人が忘れた何か」を伝えようとしているのだ。彼女は、理想世界を読み解くヒント・道しるべとしていつも短いストーリーを添える。そのヒントを元に、1枚の絵は、見る人それぞれの解釈でストーリー世界を広げるだろう。彼女の描いた理想世界から拡大された世界こそ、見る人の失われた価値観を埋めるものであり、そのとき初めて彼女の作品は観た人それぞれの心のなかで完成するのだ。