SHINO ECHIGO (Painter)

Biography

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日本の宮城県生まれ宮城県育ちの越後しのは、20歳の頃に漠然と絵描きなりたいと思い立ち、画材屋で4年間アルバイトをしながら独学で美術をはじめた。1998年にGALLERY ECHIGOというアトリエ兼カフェギャラリーを地元仙台にオープンさせ、2000年から自然をテーマとした「栽培」というシリーズのアクリル画(自然界の造形の美しさと逞しさの憧れから植物、動物、昆虫などのフォルムを線で表しそれらを繋げてゆく作品)を制作。まるで生きていて増殖し、育っていくようなその線は時にはインスタレーションにも発展し、ギャラリーや美術館の他に野外や神社での展示もあった。しかし、2011年に東日本大震災があり表現することの意味が一度止まり、彼女は改めていままでの作品を見直すことになった。自然の猛威に打ちのめされ呆然とする日々が続き、いままでの自然をテーマとした「栽培」はとても彼女には追えるテーマではなくなってしまった。そして彼女に残ったものは昔から続けているドローイングだった。彼女にとって日記代わりに描いてきたドローイングは震災後も変わらず素直に眺めることができた。そして紙板版画という技法にも出会うことができた。彼女のシンプルなドローイングにはとても適した版画技法だった。震災後、残ったものは昔から続けてきたドローイングと新たに出会った紙板版画、彼女の表現の再スタートだった。そして彼女はドローイングをもとにアクリル画の制作もはじめた。誰かに似ているような懐かしさを感じる人物像は年齢不詳、性別不明で見る側とひろく「対話」が可能だ。子どもの頃はひとりっ子だった彼女は、家に帰れば犬や猫がいる環境だった。言葉の無いコミニュケーションだったがさびしさを感じない子ども時代だった。そういうこともあってか、絵にはユニークな動物がよく登場する。そして彼女には見えないものを見えるものにしたいという思いから「満月」という印象的な流れで生まれた作品がある。東日本大震災後、夜空の月や星に癒されたという彼女は福島県で満月の日に珈琲の焙煎をする人物と出会う。それがヒントになり彼女も満月の日に版画をしようと思い立ち、「満月」という月を擬人化した作品が生まれた。幼い頃からの変わらない感情と共に作品を通して人や出来事に出会ってきた彼女の作品は無口だが静かに何かを語りかけてくる。