Satomi Terao (Painter)

Biography

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寺尾サトミは自身の夢に登場する公園を描いてる。そこは自然の法則が色濃く現れる場所であり、美しく厳かであり、未知である。彼女の活動は2005年に始まり以降多くのグループ展や個展を開催してきた。2014年には京都のGallery NEARにて「ひかりのイデア」と題された企画展を開催、同年ロンドンにて滞在制作をしEast-West Art Competitionにおいてファイナリストに選定されロンドンのLa Galleriaにて作品が展示された。現在は活動の拠点をバンクーバーに移し、日本国内に留まらない作家として歩み出した。彼女の幼少期は本に囲まれていた。トーベヤンソンやミヒャエルエンデが綴る空想の世界に浸り過ごした。やがて自分でも夢の公園について小説を書こうと試みたが、伝達の役割と表現の幅を兼ねそろえる言葉を使い順序立てて物語を紡ぐ事は彼女にとって難しい作業だった。14歳の時、両親と訪れたシャガール展が作家人生の芽生えあった。作家は絵の具を操り空気を表現し、悲しみと微笑みの中間にある感情も見事に描いていた。絵画という表現方法が自分には合っていると確信した。彼女の初期の作品は主に油絵で流動的な抽象絵画で、抽象的な色の広がりから季節や時間、温度が感じられる深みのある色使いが特徴的だ。2012年以降の作品から直線的な図形が現れ、空気のようなものを直線で囲み形を与えた上で画面を構成している。作品の中に繊細で透明感のある空気感を残したまま強い存在感を表現する独自の画風を確立し、さらに2013年以降鉛筆のドローイングという新しいスタイルを発表した。「ひかりのイデア」と題された作品は鉛筆による風景画の上に近年の特徴である直線図形の模様が展開されている。モノクロの風景と鮮やかな模様との間には絶対に埋まる事のない距離感が感じられ、2つの違う素材で描き分けることにより次元の違いを表している。彼女にとって公園の絵を描く事は別次元の世界が存在している事の証明である。人間の感覚を超越した場所への強い憧れが彼女の中にはある。近年、作品を提示することで社会とコミットしていく事をより意識しだしている。自分の中から生まれた理想的な世界を他者と共有することで理想を現実のものへと動かす事は可能なのではないかと考え、さらにスケールの大きな世界を描くことを今後の指針として作品を作り続けている。