Masashige Furuya (Painter)

Biography

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古屋正成は1980年に東京で生まれ育った。子供の頃は粘土でオブジェを作ることに関心を示し、10代のときは石川県にある陶芸の工房で働きながらプロを目指したが挫折した。彼は幼い頃からの夢を断念し、失意の中にあった。そんな中、友人達や関わった大人達から生きる姿勢、強さや柔軟さを見せられ大いに影響を受けた。それは現在でも彼の支えとなり、価値観の基本となっている。一度はあきらめたものの、アートの世界には関わっていきたいという思いから美術学校で油絵を学び、2001年より少しずつ展示を始めた。しかしアートの道で挫折した者が、再びこの世界でプロを目指していいものか疑問を感じ続けていた。迷いの中、影響を受けた友人や大人達の柔軟で強く自分の道を生きる姿勢を思い出し、彼自身もまた柔軟に人生を変化していくことを考え始めた。また彼を応援する声にも背中を押され、その声に応えたい気持ちが再びアートの道で生きていく決心へと変化させたのは2005年のこと。迷いの消えた後は積極的に制作と展示に取り組み、2011年から国外でもグループ展に参加し、2012年と2014年にはNYで個展を開催した。また、東京の飲食店において1店舗に常設展示され、3店舗にコレクションされるようになった。作品は2007年より主にアクリル絵具で制作するようになった。速乾性や幅広い素材に描ける柔軟性が自身に合っていると考えたからだ。2015年には、アクリル絵具の特性を生かしテーマ性を深めるためキャンバスやパネルだけではなく、酒器にも描画するようになった。彼のモチーフは人間であり、表情やしぐさに注目している。人間に関心を抱くのは、これまでに人に救われ、人に支えられ、人によって生かされてきた経緯が自然とそうさせた。また人間に対する感謝の思いがあるから、その存在を肯定したいと考える。2011年頃より、その視線は酒場の人間達に向けられるようになった。彼の祖父が串焼き屋を営んでいた関係で幼少期より酒場が身近だったことに起因する。現在では酒場で出会う人達と飲みながら制作の素材を探している。過去でも未来でもない此処だけに存在する凡庸なる平常にこそ存在する酒場の時間。他人から見れば侮蔑されたり愚かだと言われるような行為。しかし、それこそ彼が惹かれる人間模様である。